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2024年のスタート

2024年もスタートしたというのに、時間の感覚がずれてしまい、完全に浦島太郎になっている。私の場合、乙姫様には会っていないし、もちろん玉手箱もない。でも、玉手箱の蓋を開けて、もくもくと白い煙に巻かれて、そこで時間がどどっと過ぎてくれたらと思う。

新年が明け、まもなく父が旅立ち、その後の手続きが忙しく、瞬く間に日々が過ぎた。

途切れ途切れに感情の高まりはあるものの、号泣までにはほど遠い。ここで一息に、ゴーゴーと泣けたらどんなにスッキリするかと思う。

淡々と日々をこなしている自分という人間の不思議さ。悲しむタイミングを、完全に逃してしまった。

外が冬だということもあるかな。気持ちがどこにも動かない。

大きな存在を失うということは、得体の知れない世界に踏み込むということで、そこは意外にものっぺりとた世界で、形や色がない。私はもっと激しいものを想像していたから、静かな驚きがあった。

前に進むためには、まだ少し時間が必要だけれど、季節の風が背中を押してくれることだろう。第一、私はそんなに弱い人間ではないし。

父が晩年変わったように、いつからか私も変わった。そして、自分自身もやがては向こう側の住人になる。

悲しみはまだ遠くにあるけれど、不意に辿り着けたなら、その時はしっかり泣いておこうと思う。スッキリと心が晴れてゆくだろう。おそらくは今日の青空のように。