5月!
呆気にとられる。桜も半分以上が散ってしまった。気持ちを切りかえよう。
GALLERY ESSE のミニギャラリーで個展が始まる。約一ヶ月。5月9日から6月10日まで。
一番好きな季節に、今回の企画をいただいた。あまりにも光栄なお話だった。
制作は例によって、壁にぶちあたりながら模索中。
いつもと違うのは、肩に力が入っていないこと。
去年、尊敬する作家さんから、こんなことを言われた。
「一番つまんないと思う展覧会って、良くもないし悪くもない。どっちでもないってヤツ」と。
え? 驚いた。
「展覧会ってさ、すごくいいか、よほど酷いかのどちらかじゃないと、やる意味ないよね」
ドキドキした。
よほどひどいもアリなのか?
その瞬間、力が抜けた。そして、視界がパーッと広がった。
たぶん、それからだ。
盛るのも飾るのも、もういいか、と思い始めたのは。
「個展用の作品」=「体裁を整える」
そういう式が、出来上がっていたことに、今さらながら気付かされた。
大人になると、作品について、ほとんどの人は何も言ってくれなくなる。
もちろん、あたたかなお世辞や、優しい励ましのお言葉は頂戴できる。でも、私が望む、本当に肝心なことは誰も言ってはくれない。
家人さえも、だ。
結局、自分で気づくしかない。自分で見つけるしかない。
どこにたどり着けるのか、全くわからない。
けれども、この展覧会をチャンスに、失敗を恐れず、新たな景色を見に行きたいと思う。