今年の夏は、蝉の合唱がずいぶん長く続いている。なかなかその姿は見えないけれど、
今日も頑張ってるな、とホッとした気持ちになる。
山の緑も、川の流れも、風も、夏を満喫している。
特別なことがなくても幸せを感じる季節だ。
さて、この夏、何を思ったのか、家人が燻製に凝り出している。
理想のスモークを目指すのだという。チーズやソーセージをどっさり買い込み、
何やら色々やっている。
一度言い出したら誰の声も届かない。
「美味しくできたらいいね」
一応、声をかけておく。
昨日のことである。色々試行錯誤していたらしいのだが、庭を見ると今までとは明らかに違う白い煙。モクモクとすごい勢いで一面に立ち込めている。煙は窓から部屋の中にも入ってくる始末。
どうやら、火加減が強すぎて、燻すどころか、チーズもソーセージもすっかり燃えてしまったらしい。
詳細は省くとして、
「今度こそ!」
本人はがっかりするどころか、ますます闘志を燃やしている。
私は、これだなぁ、と思った。失敗しても、再び挑戦すること。し続けること。
家人からは時々大事なことを学ぶ。
今日は途中になっていた作品の続きに取りかかろう。一休みのご褒美は、もう少し後だ。
なんだか強気でいけそうな気がする。