午前3時のお赤飯。
と聞くと、何かお祝い事があって、朝早くにお赤飯を炊いたのかな? のような感じがしますが、私の数少ない料理のレパートリーに「お赤飯」はあるはずもなく、え? じゃあ、3時にお赤飯を食べたの? となりそうですが・・・
実は、とても光栄なお仕事をいただき、その中の1つに「お赤飯」を描くというお題があり、ひたすら「お赤飯」を描いていたのでした。
では、なぜ3時に?
それはひとえに個人的な事情によるもので、作品を完成させるまでに時間がかかるという、不器用ゆえの単純な理由で、夜中の12時に寝て午前3時に起き、とにかく描いていました。
さて、「お赤飯」です。
今も昔も「お赤飯」は私にとって特別な存在です。そして、優しいピンク色のご飯と甘納豆は、淡い幸せ感が詰まった、どこか切ない食べ物です。(甘納豆は北海道特有らしいのですが、小豆ではなく、甘納豆であるところが、なんとも言えず、心をくすぐられます)
お赤飯。
これまで、どれだけの人がこの優しい色のご飯と共に人生を重ねてきたことか・・・そして、これから、どれだけの人が、このお赤飯と共に、人生を重ねていくのか・・・そう考えると、突然、平常心ではいられなくなって、私はガラにもなく祈るような気持ちで色鉛筆を握っていました。
お弁当タイプのお赤飯には12個の甘納豆を配置しました。1年間、良いことがありますように。そして、おにぎりタイプのお赤飯には5個の甘納豆を入れました。いろんな場面で合格できますように・・・。
静かな午前3時。お赤飯はテーブルの上で鎮座し、優しく微笑んでいるかのようでした。